(マレーシア)2018年5月9日の総選挙の結果、希望連盟が政権の座についてから1周年になるのを記念して、マハティール首相が5月9日、プトラジャヤで基調講演をおこなった。その中で首相が政権交代から1年の間に学んだ主な点として、以下の3点があげられる。 1.ナジブ前首相夫妻やその「友人」たちに謝罪はしない  ナジブ前首相夫妻が政府系投資ファンド、ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)の資金を流用して贅沢な生活を送り、国の方向性を誤らせたという事実を変えることはできない。  かつては旧与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)を「不実な存在」と非難していたイスラム党PASも、前副首相の「友人」の仲間入りし、UMNOと共同歩調を歩むという事態が現出している。 2.イスラム主義圧力団体に対する政権の反撃は遅すぎた?  イスラム主義を掲げる圧力団体が「イスラム教の主権擁護」を掲げて、希望連盟政権がマレー人イスラム教徒や 統治者を裏切っていると主張して抗議行動を展開しているが、こうした行動は、UMNOとPASがマレー人社会の間に不安を植え付け、希望連盟のイメージを傷つけるとともに、自らの政治的な利益を獲得するための画策にすぎない。抗議行動によって希望連盟が掲げた政権公約の実現を阻まれることもあったが、首相の反撃は遅すぎたのかもしれない。 3.生活面での困難を訴える声に耳を傾ける  希望連盟政権が生活費の上昇や国民の負担軽減に十分に対処できていないとの批判が相次ぐ一方、投資家や市場が新政権の不安定さに懸念を抱く中、政府は生活の困難を訴える国民や、海外の投資家からの声に直接耳を傾け、対処しようとしてきた。  首相は、マレーシアを持続可能な発展国にするため、賃金と富の格差の是正、新たな発展モデルの提示、マレーシアを域内の経済枢軸国にすることを3つの目標に掲げた。さらに首相は、事業と産業体系の再構築、人材の改革、社会福祉の向上などの戦略が、発展にむけてのモデルとして必要になると提起した。 (5月9日マレー・メール)