K・K  2018年10月11日号掲載

ピックアップ  9月9日、ザラ・サリム妃(ペラ州スルタン妃)を主賓に迎え、第15回バティックデザインコンテスト“Piala Seri Endon2018”が開催されました。  本コンテストは、マレーシアにおける伝統工芸であるバティックを未来に引き継ぐ才能あるバティックデザイナーを発掘しサポートするとともに、伝統産業の促進を目的として、2003年にスタート。コンテスト名は、Yayasan Budi Penyayang Malaysiaの創始者で、第5代首相アブドラ・バダウィ氏の妻、故エンドン・マハムード氏にちなんで名付けられています(故人の母堂は日本人)。  本日は、当地の伝統を確かに継承する、優れたデザイナーらによる競演の様子をご紹介しましょう。

厳しいハードルの設置された過酷なファッション部門コンテスト
 マテリアルのデザインおよび制作、加えて女性用カジュアルウェアならびに正装、男性用カジュアルウェアならびに正装の4着がコンテスト課題として課せられた今年のコンテスト。厳しいハードルの数々に、参加者各位は悲鳴を上げていたといいます。
 エントリーは45チーム。第1ラウンドはバティック生地のサンプルとともにデザイン・スケッチで審査。審査通過者は第2ラウンドへ進み、そこでは実際に作品を提出するとともに、インタビューで評価を受けます。インタビューでは、バティックデザイン、技術、染料、染色、生地素材、作業工程、世界へのアピールメッセージ、テーマ、作品根拠、作品に伴う研究開発をすべて踏まえた発表を行わなければならず、この過酷な審査を見事通過した12組が、9日に行われたファイナル審査であるファッション・ショーに臨みました。

結果発表
 ランウェイを飾るすべての作品は、極めて高度に完成した作品ばかり。どのようなプロセスで染め上げたのか見当もつかない、手染めとは信じられないほどのマテリアルを、ぜひこのようなドレスに袖を通してみたいと思わせるデザインに仕上げています。
 栄えある優勝トロフィーを手にしたのは、“ALL THAT JAZZ”と題した作品を発表したブランド“ZIYAN BATIK”。準優勝に輝いたのは、“伝統”と名付けた作品を披露したモハド・ハフィズ・ドラマン氏。そして3位入賞者は、“楽園の優雅な鳥”をテーマに据えたラベンダー・リム・ジア・フイ氏。多くの出品作品がチームで制作されていた中、ラベンダー氏は、指導教員のアドバイスのもと、全行程を一人で担当。まずは精巧にデザインをし、そのデザイン通りに柄が表れるよう、緻密な計画のもとに染の工程に入ったであろうことが顕著なラベンダー氏の作品は、そのファッションデザインも実に優雅かつ上品でした。

 参加者はいずれも若手デザイナーばかり。技術とセンス、あふれるほどの才能を有する数多くの伝統継承者が当地に存在することを如実に物語る、画期的なコンテストでした。





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”プラナカン”と名付けられた作品を披露したのはマレー人女性

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第3位のラベンダーさん(左から2人目)と指導の先生(同3人目)。
作品タイトルは”THE ELEGANT BIRD OF PARADISE”

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準優勝作品”PERISAI TRADISI”

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準優勝トロフィーを授与

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こちらが2018年優勝作品の”ALL THAT JAZZ”

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優勝トロフィー授与の様子

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全受賞者のみなさん

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過去の入賞者の作品(バティック展示室にて)

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過去の入賞者の作品(バティック展示室にて)

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過去の入賞者の作品(バティック展示室にて)

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過去の入賞者の作品(バティック展示室にて)