K・K  2018年5月10日号掲載



K・K 2018年6月21日号掲載

 

逆輸入アーティスト、橋本薫氏。
イセタン・ザ・ジャパン・ストア展示販売会は成功裏に終了!

ピックアップ  シンガポール、マレーシア、タイ、パリでの個展が大好評を博し、ただ今日本では“逆輸入アーティスト”と注目を集める橋本薫画伯の展示販売会が、2018年6月6日〜13日、イセタン・ザ・ジャパン・ストアで開催された。エントランス、ならびに3階ブックストアスペースで繰り広げられた本展示会。期間中は浴衣姿で在廊し作品を描き続ける橋本画伯の姿は、通りがかる人々にインパクトを与え、誰もが足を止め見入り、そして作品を手に取る。また、イセタン・ザ・ジャパンストアの誇る3階和室で行われたワークショップは、体験好きのマレーシアンに大好評!多くの人々が、橋本氏の画風に挑戦した。

 “ほっとけオレの人生”と題された絵を購入した男性は、「これはまさにオレを体現した絵だ!」と購入を即決するなど、今回のマレーシアでの展示会においても多くの“橋本薫ファン”を獲得した模様だ。次回の展示会開催が、すでに待ち遠しい。




写真
エントランスにも橋本薫画伯の作品がズラリ!

写真
魅力的な作品の数々

写真
ワークショップはイセタン・ジャパンストアの誇る和室で開催されました!

写真
橋本画伯がマレーシア到着と同時に描き始めた亀の絵

写真
モチーフの組み合わせで描かれる亀の目は、まるで生きているかのよう

写真
在廊中に仕上がりました!タイトルは「oasis(オアシス)」

写真
ペン画アーチストの橋本薫氏




K・K 2018年5月10日号掲載

 

変幻自在な画風と作品群に魅せられる
~潮流を引き寄せる21世紀の新生アーティスト、橋本薫画伯~

ピックアップ  日本茶の魅力をマレーシアの若者にマッチする新たな形で提供し、人気を博すレストランTea Press。2018年4月20〜27日、Tea Pressはレストラン兼画廊となった。作品を展示したのは、神戸出身の橋本薫氏。Facebookで次々と発表される作品が人々の関心を集め、ついに海外進出するまでに至る。本日は、橋本薫画伯の作品と氏自身の魅力をレポートする。

挫折してもなお夢をあきらめない
 画伯のヒストリーは挫折から始まった。「子どもの頃から絵が大好きで、高校は美術科へ進学しました。自分は絵がうまいという自負がありましたが、全国から集まるトップレベルの生徒達の実力は相当なもので、私は井の中の蛙であったことを思い知らされました」。アートと真剣に向き合った3年間。だが、その先を追及することは許されなかった。「決して裕福な家庭ではなく、美大へ進むという選択肢はありませんでした」。絵の道をあきらめ、高校卒業後は社会へ出る。7年間は過去を振り返ることなく、会社務めに専念していたという。ところが3年前、ふと絵が恋しくなりペンをとった途端、再びその世界に没頭。職場での休憩時間など、わずかな隙間時間をも惜しんで絵を描き始めた橋本氏。友人の似顔絵を描くと、「私も描いてほしい」と次々に依頼が舞い込む。「私に絵を描いてほしい!?」。知人らの反応は、氏へ新たな気付きを与える。「その頃から、私のFacebookはガラリと変化します。作品ばかりをアップするようになったため、周囲も驚いたようです」。自分の作品をより多くの人々に見てほしい、個展を開催してみたいとの思いが芽生え始める。そんな折、地元神戸の飲食店より、店内での作品展示の申し出を受ける。その後も展示会の機会を得た橋本氏は、さらなる夢を抱くようになる。「海外の人々に見てもらいたい」。Facebookを通して海外進出の機会を図る氏に、とうとう朗報が舞い込む。シンガポールのレストランから出展快諾を得たのだ。「シンガポール出展が決まったと同時に腹をくくりました。絵で食べて行こうと」。2017年10月、10年続けた会社員生活に終止符を打ち、“橋本薫画伯”として新たな人生を歩み始める。

紙とペンと自身と
 ある作品はまるで切り絵のように、またある作品は木版画のごとく見える薫画伯の作品はすべて、細ペン、コピー用紙などの白い紙、時折色鉛筆やお洒落なフリーペーパー、そして自身の右腕のみから生み出される。画材にコストをかけず、時間と根気のみをひたすら注ぐ。

確かな技術に裏打ちされる変幻自在な画風
 ダイナミックで迫力のある写実的な龍や蛇、古典絵画の再現&アレンジ、写実的でありながら抽象要素を伴う作品、はたまた大正ロマン漂うレトロで漫画チックな画風、浮世絵風作品など、薫画伯の作品に決まりはない。その心の動きに応じて、描きたい作品を描きたいように描く。その“自由感”が見ている側に非常に心地よい。Tea Press滞在期間中に完成した2作品はいずれも、マレーシアの空気と色に満ちていた。豊富な技術の引き出しを自由気ままに出し入れしては繰り出される様々な技法。それらを難なく使いこなし描かれる線。その線から生み出されるモチーフは、いずれも躍動的だ。単に絵が好きだというだけで描けるものではないことを、見れば見るほど思い知らされる。確かな技術あってこその変幻自在な画風。さらに特筆すべきは、その作品群の中に、老若男女を問わず、見る者の琴線に触れる作品が必ずあるということだ。絵に関心を寄せる大人の隣で、子どもたちも「あの絵が欲しい」と親にせがんでいる。観客誰もが惹き込まれ、絵を後にしてさえも、その余韻にしばし浸る。それが薫ワールドと言えよう。

体験してわかる驚愕の緻密さ
 Tea Press展示会期間中に同会場で開催されたワークショップには、薫画伯の予想をはるかに上回る、大勢の地元の人々が訪れた。スペースを細ペンで描く細かなモチーフで埋め尽くすユニークな画法。その画法を学ぶ機会を得て挑戦したところ、開始後1分でノックアウトされた。「絵が物質的になるのが嫌なので、定規やコンパスなどの道具は一切用いません。すべてフリーハンドです。また最初に構成を決めてすべての線を先に描くということもしません。線のあとはモチーフ、その次に線。その連続です」。冒頭、ベースとなる10センチ程度、5ミリ幅ほどの平行直線を描くのに四苦八苦する羽目となる。また、その5ミリ幅のスペースに埋めるモチーフの“適当な間隔”がつかめない。A5サイズの極めてシンプルな部類に入るこの絵のベース部分を描くだけで、ほぼ2時間。通常の画伯の作品はA4サイズ。このスペースを、線とモチーフで埋め尽くしながら何かを表現するなど、決して自分に出来はしない。画伯の実力に圧倒されるワークショップ体験だった。

21世紀の波に乗るアーティスト
 シンガポールを皮切りに、FacebookなどのSNSを駆使して、マレーシア、タイ、パリへと進出を果たした薫画伯。しかし、単にSNSを駆使したところで海外進出を果たせはしない。作品への愛情と自信、さらにプラスαが必要とされる。「絵で生きていく以上、出展経費に赤字を出すわけには行きません。少しでも多くの方に作品を鑑賞していただくことが絶対条件となります。本年2月にパリ進出を果たした際は、まずは兵庫県パリ事務所での個展開催が決まり、パリを訪問。しかし、それだけでは黒字化は難しいと判断。ジュンク堂パリ店へ個展開催を打診し、『ワークショップを開催してくれるならば』との条件で快諾を得ます。ところが、パリでの滞在コストは予想以上に高く、収支は厳しいまま。『パリにはユニクロがある!』と現地で思い立ち、辞書にかじりついて一夜でフランス語のレジュメを書き上げ、翌日アタック。残念ながらその時点での個展は無理でしたが、今年7月の開催承諾を得るに至りました」。アーティストの顔と、グローバル時代の潮流を実に自然に乗りこなすビジネスマンとしての顔を、橋本薫氏は兼ね備えている。

 さて、橋本薫画伯の再来馬が、以下の通り決定した。百聞は一見にしかず。ぜひ薫ワールドを堪能すべく、足をお運びいただきたい。




写真
壁面の棚にずらりと展示された作品は、店内の雰囲気にもぴったりマッチ

写真
一度見ると、クセになる作品の数々

写真
いいですねえ!アビーロード&やじさんきたさん風作品も!

写真
青の背景、赤の琉球グラスとともに、とっても素敵にディスプレイされた作品たち

写真
有名作品との”コラボ”や、有名女優のポートレートも!?

写真
橋本薫画伯のオリジナルキャラクター、”ぱいおっちゃん”

写真
薫画伯が大切にする言葉。家族に、周囲のサポートに、そしてご縁に、常に感謝する画伯の姿勢が伺える

写真
①「この作品は、マレーシアに来てから描き上げた作品です」

写真
②「フランスの新聞紙がとっても素敵だったので、こちらの作品に利用してみました」

写真
③作品の裏を見ると、確かにフランス紙が利用されていることがわかる

写真
作品作りに用いられる主な道具は、こちらのペン

写真
Tea Pressのワークショップでは、参加者のみなさんはこちらの絵に挑戦!

写真
当地Tea Pressでのワークショップの様子

写真
お子さまも、橋本氏のテクニックを学ぶワークショップに挑戦中

写真
作品を見ながら、当店期間限定スイーツセット”桜セット”をいただくお2人

写真
ちなみに、”桜セット”はこちら♪贅沢ですね~

写真
絵を購入されたお客様には、額の裏に丁寧にメッセージとサインをしたためる画伯

写真
展示会&ワークショップを訪れた地元の方と情報交換する橋本氏

写真
橋本薫画伯。「玄関に飾ると金運が上昇するとされる蛇を描いてみました」

写真
ジュンク堂パリ店でのワークショップの様子