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ピックアップ  ブラインドサッカー・アジア選手権2017が、12月9日〜18日、当地トゥン・ラザク・ホッケースタジアム(クアラルンプール)で行われ、サムライ・ブルーに身を包む我らの日本代表が出場した。奮戦むなしく、6か国中5位という結果に終わったが、我々の目と胸に鮮烈な印象と熱い想いを残し、清々しく会場を後にした。

 本日は、日本VSマレーシアの5位決定戦の様子を中心に、ブラインドサッカーについて紹介しよう。

ブラインドサッカーとは
 正式名称は「視覚障害者5人制サッカー」。1チーム5人、フットサルコートと同サイズで両サイドライン上に高さ1mほどのフェンスが並ぶ会場で試合は行われる。転がるとシャカシャカと音が出るボールを使用し、前後半各20分を戦う。フィールドプレーヤーは全盲の視覚障害者4人で、アイマスクをつけることが義務付けられる。ゴールキーパーは視覚障害のない選手または弱視の選手が務め、監督、ガイド(相手ゴール裏で指示)とともに、声で選手にボールや相手の位置、状況などを伝える。試合中は危険回避のため、ボールを持つ相手に向かう際には、「ポイ!(スペイン語で「行く!」の意味)」と声をかけ、この声を出さないとファウルが取られる。本大会でも、「ファウル!No ポイ」というアナウンスが度々耳にされた。

アジア選手権2017の結果
 6か国が参加した本大会。参加国は、グループA(中国、タイ、日本)、グループB(イラン、韓国、マレーシア)に分かれ、まずは総当たりのグループリーグに臨んだ。また、各グループ上位2か国が決勝トーナメントへ進出、準決勝、決勝戦が行われた。
 日本は13日、世界ランク3位の強豪中国との初戦で0-3。続く14日のタイ戦では、ボールを支配しつつも決定打に欠き、前半2失点を許し、後半は2得点を挙げるも追加点を奪えず2-2の同点。1敗1分、得失点差によりグループ3位が決定、決勝トーナメント進出を逃す。
 準決勝は、中国(グループA 1位)と韓国(グループB 2位)、イラン(グループB 1位)とタイ(グループA 2位)が対戦、中国、イランが勝ち進む。決勝戦では、中国が終始試合を優位に進め2-0で勝利。その結果、中国は2大会ぶり(4年ぶり)、5度目のアジア選手権優勝。準優勝はイラン、3位タイ、4位韓国となった。

暑さとの戦いに苦戦
 17日、5位決定戦試合開始前。「今大会の日本代表は様子がおかしい・・・」。観客席後部で陣を取る日本応援団がつぶやく。大会前、日本代表は、中国対策を含む万全なトレーニングを積み、手ごたえを感じてマレーシアへとやって来た。ところが、暑さを始めとする環境の違いに選手は調子を崩し、ここまで、想像以上の苦戦を強いられることとなった。
 「最後にどうしても、日本代表の力を出したかった」と、キャプテンの川村怜選手が試合後のインタビューで語った通り、選手陣は心機一転、攻撃的布陣でマレーシア戦に臨む。序盤から良いリズムでボールを持ち、前半7分に川村選手がFKから先制、17分には黒田智成選手が左サイドを突破、見事にシュートを決める。ところが前半終了間際、マレーシアはFKから1点を返して後半へ。時間の経過とともに調子を上げ、ボール支配も多くなるマレーシア。一方日本は、反則が頻繁に取られるとともに、通常は「アドバンテージをとりスルー」とされる場面(相手側に反則があっても、ボール保持者が相手陣営でゴールを狙える状態にあるときは、試合の流れを重視し試合を止めず、審判はそのファウルをカウントしておくこと)で、直前の相手側によるファウルが取られ、好機にも関わらず、ゴールネットから遠い位置まで試合が引き戻されるシーンが度々生じる苦しい展開に。結果、後半は両者得点ならず、2-1で試合は終了。日本は待望の1勝を手にした。

必見!奇跡のスポーツ
 観戦中幾度となく、まるで通常サッカーの試合を見ているときのように、「パスが流れた!」、「ゴール行けー!」、「惜しい!」と、手に汗握る自分に気付く。そして次の瞬間、パスを決め、ゴールを狙う選手らのあらゆる能力に愕然とする。音が出るボールを使用しているとは言え、正しくそのボールに向かい処理し、味方の足元にパスを送り、またはそのパスに正確に向かう。相手がボールを奪えば、フィールドプレーヤーは向きを変えゴールを守りに走り、逆にカウンターアタック時には素早く相手陣営へと切り込み、ゴールの枠を捉える。通常のサッカー試合に見受けられる「宇宙開発(ボールがゴール枠を大きく外れること)」は、ない。キャプテン10番の重責を担う川村選手は、FKから相手陣営の隙を縫ってゴールを決めるとともに、前後半に渡り常に攻撃に絡む位置に立ち、ネットを狙っていた。カズナンバーの11番を背負う黒田選手は、ベッカムのごとく、度々ロングボールを正確に処理、「ビシッ!」と収め、攻撃の起点となった。
 いざ、自分がアイマスクを付け、フィールドに立つとなると、自分がどの位置に立ち、どの方向を向いているのか、ボールを持ったとして蹴ったボールがどの方角へ向かうか、次に自分がどこへ向かうべきか、距離感を含め、さっぱり見当もつかないことだろう。それを瞬時に判断し、動く。さらには10名が走り回る流動的な試合フィールド内で行うとなれば、怪我への恐怖も付きまとうはずだ。感覚、技術、精神面をすべて克服したものでなければ、そのフィールドに立つ資格は与えられない。  目の前で繰り広げられる奇跡の連続はまさに驚愕の一言。サッカーの魅力に加え、サッカー以上の醍醐味と感動を与えてくれる奇跡のスポーツ、それがブラインドサッカーだ。

キャプテンのご両親は、応援席のキャプテン
 「苦しい時間帯、みなさんの大きな声援に助けられました」と、インタビューで答えていた川村キャプテン。
選手は感覚を研ぎ澄ませ、音や声を頼りにプレーする。したがって、試合中、ボールが動いている間は、応援は一切できない。そのため、タイムアウトなどのタイミングを見計らい、「はい!次はバボ・ニッポン行きます!」、「ニッポンコール、やりましょう!」と、日本応援席をまとめていたのは川村キャプテンのご両親。試合動向に目を配りながら、誰もが気持ちよく立ち上がり、声を上げることができるよう配慮する心配り。キャプテンのご両親は、応援席のキャプテンを務めていた。
 本試合は、カイリー青年・スポーツ大臣、ならびに折笠弘維公使、西川史晃書記官(在マレーシア日本国大使館)も観戦する中で行われた。
 全試合を振り返り、「決めるところで点が取れるよう、またどのような場でも実力を発揮できるよう、今後一層トレーニングを積んでいかなくてはなりません」と、フィールドにしっかりと足をつけ、凛と答える川村選手の頼もしい姿が、いつまでも脳裏に焼き付いて離れない。次は、東京オリンピックの表彰式で、この姿を見たいと思った。

 余談だが、記者は、スイカ割りすらできない。目隠しをして、くるくると身体を回されたが最後、スイカの方角へ向かえた試しがない。「こっち!」と声をかけられたら、その声をかけてくれた友人に面を食らわせる始末だ。

 一度見れば、その魅力のとりことなるブラインドサッカー。ぜひ注目し、機会があればぜひ観戦してほしい。そして多くの人々、子どもたちへの周知に協力をお願いしたい。


日本ブラインドサッカー協会
www.b-soccer.jp




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スタッフとともにフィールドに現れる日本チーム

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日本チームの先発メンバー、入場!

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フィールドプレーヤーの4人はアイマスク着用が義務付けられる

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試合前、マレーシア、日本の両チームが並びます

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円陣を組んで、「行くぞ!」と気合を入れる日本代表チーム

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前半はマレーシアチームのキックオフから。
感覚を研ぎ澄ませるフィールドプレーヤーの面々

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前半最初の日本側FK。
このFKから先制点誕生!

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ブラインドサッカーならでは、集中と緊張が伝わるFK直前の様子

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フェンス際の激しい攻防は、ブラインドサッカーの見どころに一つ

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ゴールを守る日本チーム。
GKの榎本達也選手が声をからして情報を伝える

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ボールを激しく競り合う日馬の両選手

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ボールの競り合いから、見事にパスを出す黒田選手

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シュートは相手方GK正面へ!惜しい!

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前半を終え、フィールドを出るマレーシアチーム

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後半戦に向け、マレーシアチームを激励するカイリー青年スポーツ大臣の姿も

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後半戦へ向け、フィールドに現れるマレーシア代表と日本代表

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後半戦は日本の攻撃からスタート

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試合終了直後、アイマスクを外し、ほっとした表情を見せる選手たち

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「おめでとう」と声をかける日本応援団と、ほっとした表情を見せる選手たち

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試合後、両応援席へ挨拶する日馬代表の面々

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試合後のインタビューに答える川村キャプテン

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試合後、日本から応援に駆け付けたご両親と言葉を交わす、川村キャプテン

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「みなさま、力強い応援をありがとうございました!
5位という残念な結果となり申し訳ありません。
一層邁進しますので、変わらぬ声援をお願いします」
応援席まで挨拶に来られた高田敏志監督

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「次回以降の課題が見つかりました。
キャプテンとしての責任を果たしていけるよう、一層精進します」と、
しっかりと前を見据える川村怜キャプテン

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応援席に掲げられた横断幕

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川村キャプテンのご両親が音頭をとる日本代表応援席。
大きな声援が選手を後押し!

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日の丸を振って日本代表を応援する、当地在住の邦人ファミリー

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折笠公使、カイリー青年スポーツ大臣、西川書記官が見守るなか、好試合が繰り広げられた