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南 星之助  2016年9月8日号掲載

コラム  世界的なグルメガイドとして知られる『ミシュランガイド』の東南アジア初となる『ミシュランガイド・シンガポール(Michelin Guide Singapore)』が、7月21日に発刊された。29のレストランが星を獲得し、最高の3ツ星は1軒、2ツ星は6軒、1ツ星には22軒が選ばれた。星を獲得したレストランのうち、日本人シェフの店も8軒含まれている。

 そして、今回大きな話題となったのが、1ツ星を獲得した店の中に、ローカル料理屋台のホーカーが2軒含まれていることだ。ストリートフード、屋台料理がミシュランの星を獲得したのは世界初という。

 ミシュラン星付きの店というと、格式ある店で食事代も高いというイメージがあるのだが、ホーカーであれば躊躇することはない。発刊約1週間経ってから星付きホーカー2軒に行ってみた。

 まずはヒルストリート・タイホア・ポークヌードル(Hill Street Tai Hwa Pork Noodle)。ランチタイムのピークを避けようと午後2時ごろに行ったのだが甘かった。食べることができたのは行列に1時間20分ならんでからだった。

 翌日、もう1軒の1ツ星ホーカーであるチャイナタウンの香港ソヤソースチキンライス&ヌードル(Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice & Noodle)に朝10時30分の開店時を狙って行った。だがこちらも、行くとすでに長蛇の列ができていて、2Sドル(約150円)のチキンライスにありつくまでに結局2時間30分待った。

 私がこれら2軒の店に行ったのは今回が初めてだったが、どちらも以前から人気店で地元メディアに紹介されたり、表彰されたりしている店だった。それがミシュラン星付きの店で食べた経験を得たいという、私のような一見の客がどっと押し寄せたのである。常連の客にとっては困った状況かもしれない。

 舌が肥えた美食家でもなく、ミシュラン格付けの基準も知らないので、私にはこの2軒のホーカーが星にふさわしいかどうかをいう資格はない。だが、あえて言わせてもらえば、同じく1ツ星を獲得した店に高級なレストランも含まれていることを思うと、ちょっと首をかしげたくなる。ちゃんと行き届いたサービスを提供する店と、先述のポークヌードルの店が同列に扱われるのはいかがなものか?と思ってしまう。このホーカーはお世辞にも清潔とはいい難く、しっかり洗っているのか不安になるほど変色し、ひび割れたプラスチックの食器に盛られてポークヌードルが出てきた。

 『ミシュランガイド・シンガポール』は、シンガポール政府観光局の協力によって刊行されたという。ミシュランガイドは、その独自の手法や調査によってレストランを格付けし、世界にその名を轟かせてきたものと思っていたので、今回の結果にはひょっとして“なびいた要素”も入ってないか?と勘繰りたくなる。

 しかし、この世にレストランを紹介する本はまさに星の数ほどあると思うけれど、これほどの話題になるのだから、やはりミシュランガイドというのはすごいのだと思い知った次第である。なんでも物価が高いといわれるシンガポールだが、世界で最も安いミシュラン星付き料理が楽しめるというのもおもしろい。シンガポールにお越しの際はぜひ行っていただきたい。星を獲得したレストランのリストはミシュランガイド。シンガポールのウェブサイトでhttps://guide.michelin.sgで公開されている。


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平日にもかかわらずこの行列。
ヒルストリート・タイホア・ポークヌードルを求めて並ぶ多くの人たち

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ミシュラン星獲得の認証が誇らしげに飾られている
ヒルストリート・タイホア・ポークヌードル

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ひき肉、レバー、ミートボール、揚げた魚と思われるトッピング、
ワンタンなど具がたくさん入っていて、
一般のものよりゴージャス感があるポークヌードル。
値段は5S ドル(約380円)~

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本紙『南国新聞』姉妹紙で、シンガポールで発行されていた
『星日報』1998年4月掲載の記事が店頭に

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香港ソヤソースチキンライス&ヌードルは、
人気ホーカーが軒を連ねるチャイナタウン・コンプレックス2階のフードコートにある。
中でも長蛇の列がひときわめだつ

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ダック肉かと思ってしまうような肉厚の鶏肉が
たっぷりのったソヤソースチキンライス。
これがなんと2Sドル

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チャーシューヌードル2.50Sドル。今どき信じられない安さ