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A・W  2015年6月4日号掲載

ピックアップ  5月13日から24日まで開催されたカンヌ映画祭2015で、マレーシア人のインドラニ・コパル氏の作品「The Game Changer」が『ベスト学生ドキュメンタリー賞』を受賞した。

 初監督となる本作品では、ニューヨークの刑務所内で実施されている更生プログラムの一環として、ダンス・インストラクターのスーザン・スロトニック氏が、再犯の可能性の高い服役囚達に「人生における第2のチャンスへの希望」をダンスを通して芽生えさせていく奇跡を2年に渡り記録し、その軌跡を綴っている。

 マレーシアのテレビ局員だった当時、彼女が制作したドキュメンタリー・ニュースはインターネット上にアップロードされ230万件以上の閲覧を記録している。当時の上司であるシュフィヤン・シュカール氏は、「彼女のユニークな才能はいつか必ず、今回の映画祭のような場で証明され、花開くと信じていた」と語る。

 一方、インドラニ氏本人は「カンヌ映画祭は映画製作者にとっては夢のような世界。この大きな映画祭で、私はる小さな一部門の参加者でしかない。ファイナリストに残っただけでも、将来への十分な布石となるところなのに、この受賞は身に余る光栄だ」と、謙虚に語った。

 タイトルのGame Changerとは、『形勢を一変させる人』、『考え方を根本から変える人』という意味を持つ。インドラニ氏は「スーザンがしたような、慈愛からもたらされる小さな行動が人々を変える。人は誰であれ、たとえ犯罪を犯しても、『変わりたい』と心を開けば必ず変わることができる。『自信と積極的なセルフ・イメージがすべてを変える』。この撮影を通じて、私はそう確信した」と、初の監督作品製作で得られた知見について語った。

 現在、ニューヨークのホフストラ大学ドキュメンタリー研究・制作コースの修士課程に在籍しているインドラニ氏の次回作は卒業制作作品で、タイトルは「The Incarcerated Rhythm (閉じ込められたリズム)」だ。同作品は最終的にはネット上のインタラクティブマルティメディアとして構築される計画で、インドラニ氏は同作品の中で釈放された元服役囚達が刑務所内で学んだダンスで、新たな人生を築き上げていく努力の過程を記録しているという。




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インドラニ・コパル氏

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