K・K 2018年6月21日号掲載

 

マレーシアのおもてなしに感動
〜ハリラヤ・プアサをマレー系マレーシア人のご家庭で祝う〜

ピックアップ  2018年6月15日。本年は5月17日にスタートしたラマダン(断食の期間)が明け、マレー系マレーシア人のみなさんが待ちに待ったハリラヤ・プアサを迎えました!一年で最もおめでたいとされるこの日を、人々は新調した伝統衣装と特別料理で迎えます。「物を新しく買い換えるのは、ハリラヤ・プアサ前(ラマダン期間)のみ」というご家庭も多く、ショッピングモールや各商店は、ぎりぎりまで買い物に勤しむ人々で賑わいます。 さて、このハレの日であるハリラヤ・プアサを、マレー系マレーシア人のご家庭で一緒にお祝いさせていただき、マレーシア流の“おもてなし”に大いに感動!本日は当地のご家庭でのハリラヤ・プアサの様子と料理の数々をご紹介しましょう。

ハリラヤ・プアサは究極のおもてなし 〜食事をとるのはお客様のみ〜
 今回お邪魔したのは、スンガイブロー(セランゴール州)のアドラーン・モハド・シャリフディン氏のご実家。家族とともにアドラーン家を訪れた記者は、アドラーン氏ご一家に丁重に迎えられ、早速、みなさんによって次々とテーブルに届けられる手作り料理の数々に、舌鼓を打ち始めます。ところが、それらの豪華な食事に手を付けるのは我が家の面々ばかり。料理の説明に忙しいアドラーン氏や、皿に取り分けてくださる奥様以外のみなさんも、一切料理に手をつけないまま、テーブルの周りで会話に参加しておられます。「我々だけがいただくのは心苦しいので、みなさんもぜひご一緒に」と促したところ、「お越しくださるお客様にのみ召し上がっていただくのが、本来のマレーシア流のおもてなしです」、との氏の回答に仰天します。「これは食糧難や、貧しい頃からの慣習で、家族が食事に手を付けてしまっては、せっかくお越しいただいたお客様に十分に料理を召し上がっていただくことができない可能性が生じます。時代が変わった今でも、原則としてハリラヤ・プアサではお客様に召し上がっていただくことが最優先で、ホスト一家は、お客様の目の前では食事に手を付けないのが礼儀です」。我々が訪れた際には、13歳、11歳、8歳のお子さんもおられましたが、彼らも食卓には一切手を伸ばさず、礼儀をしっかりとわきまえていました。「どうかご心配なく。お客様に食事を楽しんでいただくことが、我々にとって一番の喜びですから」。この究極とも思われる“マレーシアのおもてなしの心”に、大いに感動した記者でした。

長時間かけた手料理の数々
 「レンダンは母が4-5時間かけて作りました」、「こちらのパイナップルクッキー、チョコレートなどの菓子類はすべて妻が担当しました」など、料理を一つ一つ丁寧に説明してくれるアドラーン氏。「でも、これを作るのが実は一番大変なんですよ」と氏が示したのは“ドドル”。ココナッツジュースを10時間煮詰めて作るのがアドラーン家のレシピ。焦がさず10時間煮詰める作業のみならず、いったいどれだけのココナッツジュースを用意したら、これだけのドドルが作れるのか、その準備作業にも思いを馳せると、ただただ頭が下がるばかり。丹念に手数をかけて作られた料理の数々は、既製品やレストランでの料理とは一線を画し、優しい味付けで飽きがこず、甘さ控えめ油控えめ。すべてがこれまでいただいたどのマレー料理よりも美味でした!

本当のナシレマとは?
 「昨今のナシレマには、鶏唐揚げやレンダンなどが載ってるだろう?あれは今はやりの“トッピング”で、本来のナシレマじゃない」と、アドラーン氏の父上。他の料理については一切言及しない父君が、「“本当のナシレマ”とは、ココナッツミルクで炊いたご飯、サンバル、素揚げした豆、小魚、ゆで卵、スライスしたキュウリの組み合わせのみ」とナシレマ論を力説する姿に、やはり「ナシレマはマレーシアのソウルフード」なのだと痛感した次第です。

ケトゥパットはこうして作る
 ココナッツの葉を編んで作った小さな籠状のものにお米を詰めて炊いた“ケトゥパット”。米が炊き上がる際、籠により膨張が抑えられるため、かなり圧縮された食感を持つのが特徴で、カットして葉を取り除いていただきます。「我が家では、このケトゥパット用の籠を作るのは私の担当で、庭のココナッツの葉を用い、最低50個ぐらい作ります」とアドラーン氏。「忙しい時期に、毎回ご飯を炊くのは大変です。まとめて作り置きし吊るしておくと、3日間は腐らずに持ちます。また、葉に包まれているので、虫などもよって来ません」。さて、実際にアドラーン氏がケトゥパット作りを披露してくださいました。まずは庭に行き、手ごろなココナッツの葉を入手。硬い筋を切り取り、葉を2分します。2分した葉を器用に指にかけながら作り上げ、1つあたりの所要時間は4-5分程度。これを50個以上作るのは大変な作業。本当にご馳走様でした!

発酵料理のタパイ
 来馬歴6年目にして初めて、“タパイ”という発酵料理をいただきました。主にトレンガヌ州のハリラヤで供される料理で、モチ米から作られるものと、タピオカ芋から作られるものの2種類があり、いずれも2日間の発酵を踏まえて作られる料理とのこと。今回、幸いにもいずれもいただくことができました!モチ米から作られたタパイは、甘酒の糀を食べていただいているような感覚で、上澄み液は“軽めのにごり酒”のよう。タピオカ芋のタパイは、パパイヤのような食感で、モチ米バージョンと比較すると甘みは控えめで、上澄み液も少な目です。日本人には馴染みの深い味わいで、とりわけ暑さの厳しい今の時期には、体調を整えるための優れた料理ではないでしょうか。

 家庭でしか味わえないタパイを含む多くの伝統料理をいただくとともに、マレーシアの人々のおもてなしの心に触れる貴重な機会となった今年のハリラヤでした。




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次々と食卓に並ぶ手料理の数々

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こちらも奥様の手によるチョコレート

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シリアルで作られたスナックも美味

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アドラーン氏の奥様お手製のパイナップルクッキーとデーツのケーキ

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10時間かけて作られたドドル

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ケトゥパット

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ケトゥパットの作り方
①アドラーン氏が庭のココナッツの木から葉をカットします

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ケトゥパットの作り方
②「このくらいのサイズの葉を用います」

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ケトゥパットの作り方
③葉の芯(硬い部分)を取り除き、葉を2分割。こちらの芯は捨てず、まとめて掃除用のホウキを作るそうです。アップサイクル!

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ケトゥパットの作り方
④指先を用いて器用に葉を編み上げます

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ケトゥパットの作り方
⑤見る間に編み上げられていきます

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ケトゥパットの作り方
⑥ケトゥパットの籠の完成です!

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ケトゥパットの作り方
⑦「この中に米を詰めて炊き上げます」とアドラーン氏

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ケトゥパットをカットし、葉を取り除いていただきます

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鶏唐揚げやレンダンを載せないのが本来のナシレマ

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ナシレマに載せる”トッピング”用の鶏の唐揚げも、しっかり準備してくださっていました♪

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モチ米で作られたタパイはこちら。日本の甘酒のようでした!

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タピオカ芋のタパイは、デザートのようで最高に美味でした

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アドラーン家の庭のタピオカ。タパイ用のタピオカ芋もマイガーデンから♪

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豪華な料理に一切手を付けません

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ハリラヤのお祝いに招待してくださったアドラーン家




Mika Yatsuchi 2014年7月17日号掲載

 

ラマダンバザールに出かけよう! inカンポンバル

ピックアップ  約1ヶ月間にわたって行われるラマダン。夕方4時を過ぎた頃から、街のあちこちにバザールが立ち並びます。洋服を売る店や、ご飯や菓子類を売る店など、その活気はとにかく凄い。バザールを散策すると、マレーシアの食文化を存分に体験できます!

 今回南国タウンで紹介するのは、KLCCからほど近い場所にあるカンポンバル。ここには、マレー料理の屋台が通り沿いにずらりと並びます。何を試してみようか、ついつい目移りしてしまします。

 おかず屋さんでは、魚や貝、鶏肉を使った数々のマレー料理が売られています。中にはラマダン期間中だけ登場する特別料理や地方の郷土料理を売っている店もあります。

 ご飯の上に好きなおかずを数品選んで、お持ち帰りするのが一般的。もちろん、おかずのみでも購入できます!

 モクモクと上がる煙の出所は、手羽先を焼く屋台。スパイスの効いたマレー風タレを、何度も重ね塗りしながら炭火で焼き上げます。

カラフルな料理がいっぱい★まさにここはグルメパラダイス!
 緑やピンク、黄と見ているだけでもわくわくするマレー菓子。その色鮮やかさは本当にすごい!ドーナッツやカリーパフ、フライドポピアなど揚げ菓子の種類も豊富です。中でも最も目を引いたのが、さっぱりライム味だというブルーのジュース。

にぎわう屋台ここにあり!
 長い列ができていたのは、マレー風パンケーキを売るお店。チョコレートやココナッツ、ドリアンクリームなどお好みの具材をトッピング。甘い香りが人を惹き付けます。

 揚げたての串を売るお店も人気でした。種類も豊富です!




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カンポンバル

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マレー料理がずらり。おかず屋さん

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どれを試してみようかな??

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炭火焼チキンウィング

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炭火焼チキンウィング

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ポピア

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ロティ

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色鮮やかなジュース♡

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カラフルなマレー菓子

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カラフルなマレー菓子

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甘い匂い誘われて・・・

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マレー風パンケーキ

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揚げたての串が人気