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Mika Yatsuchi  2013年5月30日号掲載

ピックアップ  タマンデサの小高い丘の上に、まるで昭和の街にタイムスリップしたかのような場所がある。ショップロット沿いの駐車場を上り、通りを右に折れるとその入り口が姿を現す。近づくにつれ、トタン屋根に提灯がぶら下がり、「大衆焼肉」と書かれた看板が目に飛び込んでくる。敷居、囲みのない広々とした屋外スペースに、簡易テーブルとプラスチックの椅子が並んでいる。どこか懐かしい、日本の昭和を思い起こさせる雰囲気に、郷愁を覚える。

 午後7時を過ぎると、家族連れや仕事帰りのサラリーマン、地元の若者たちが瓶ビールを片手に、七輪を囲んで『焼肉』を楽しんでいる。活気と共に、肉が焼ける香ばしい匂いが立ちこめている。  2年前、同店を営む藤本さんが仲間と共に、自らこの場所に店を建てた。「日本とマレーシアの食事スタイルを組み合わせて、何か面白いことができないか」と考え出したのが、『大衆焼肉』の始まりだ。最初は、自分で食べる肉を焼くというスタイルが珍しく、「焼いてほしい」という要望も多かったそうだ。しかし、トングを使って焼く方法を伝授すると、あっという間に『焼肉(BBQ)スタイル』は地元の人たちに定着したという。

 食事をしながら、飲んで楽しむという時間をこの場所で過ごして欲しいと藤本さんはいう。そのため、肉をはじめ焼肉の具材は一皿RM5~10、タイガービールは一本RM8と、価格に手頃感を出している。しかし、値段が安いからといって、決して食材を妥協しているわけではない。使用する肉は、養豚場から直接仕入れている。そのため、一般的な部位をはじめ、ハツやガツ、ヒモといった希少な部位まで幅広い。そして焼肉の要となるタレは自家製で、おろし玉ネギや人参、生姜、にんにくなど数種類の野菜や薬味をブレンドしている。醤油をベースにした甘味のある和風味に、ピリッとしたチリの辛みが加わっている。まるみのある優しい味のソースは、脂ののった肉との相性も抜群だ。

 開放的な屋外で地元の人たちが、ビールを飲みながら楽しそうに食事をする姿がここにはある。『大衆焼肉』には、日本の懐かしい雰囲気だけでなく、日本とマレーシアの食文化がうまく共存し、一つの新しい食事スタイルが根付いているようにも見える。




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昭和の街にストールが出現??

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豚バラRM10、野菜RM5、いかのホイル焼きRM10

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炭火を使ってじっくりと焼き上げる

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ホイルをあけると中からニンニク醤油バターの香りが広がる

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人気の豚骨ラーメンはRM10。
麺は手打ち、スープは煮干しと豚骨を合わせた自家製スープ

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炭火の準備もばっちり

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『Faber Tower』裏手の駐車場を上って行く

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『大衆焼肉』への入り口

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「大衆焼肉」