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Mika Yatsuchi  2012年11月29日号掲載

ピックアップ  ブキビンタンの中心部から少し離れた一角に、市内で最も大きいと言われている朝市「インビマーケット」がある。中に入ると、棚いっぱいに積み上げられた南国フルーツや野菜、卵を売る店などがひしめき合っている。奥へ進むと水をジャバジャバかけながら鶏をさばく音が聞こえてきたかと思うと、別の方からは魚の鱗を勢いよくそぎ落とす音が聞こえてくる。その場は活気に溢れ、見るものを圧倒する。

 さらにマーケットの中へ進んでいくと、飲食露店が並び、家族や友人たちと朝ご飯を楽しむ地元の人たちで賑わっている。湯気が立ち込め、あっちこっちからいい匂いが漂ってくる。

 多くの商店がしのぎを削るなか、ひときわ長い行列ができている店がある。列の側では女の子が懸命に唐辛子の中にすり身を詰め、隣で女性が大鍋の中に手際よく落としていく。十分に熱せられた油の中で、パチパチと音を立てながら揚がってくる様子を見ているだけでもお腹が空いてくる。湯葉で巻きあげたものや、肉や魚のすり身をなすやししとうなどに詰め込んだ野采など、揚げたての具材が次々に店先に並ぶ。注文が入ると、手際良く中華包丁で麺を切りさばき皿に盛られる。客は好みの具材をトングで掴み上にのせると、上からたっぷりとソースがかけられ、ゴマをふって手渡される。

 好みの天麩羅をうどんの上にのせ、つゆをぶっかける讃岐うどんの様式に少し似ている。でもこちらの麺は平麺で太く寒天のようなプルっとした食感、太めに切られた麺には甘酸っぱいソースがよく絡む。もちろん揚げものとの相性も抜群だ。

 どうやらこの麺は「チーチョンフェン(Chee Cheong Fun/朱腸粉)」と呼ばれているもので米粉からできていて、蒸し上げて作るため水分を含み滑らかな麺に仕上がるようだ。教えてくれたのは、店を切り盛りするチューさん。店は代々受け継がれてきたもので、家族や親戚と一緒に店を守り続けている。毎朝3時に起床し、食材を仕入れ下準備を始め、夜が明けはじめる7時頃に営業を開始する。

 どんなに強い日差しが照りつけても、また雨が降っていたとしても、店先に列が途絶えることはないという。この麺料理がここまで地元の人を虜にするのは、秘伝の甘酸っぱいソースにあるようだ。チューさんは、「創業当初より続いてきた伝統の味を変えずに作り続けている。」と語ってくれた。「ソースの中身は?」と尋ねると、「私たちの家宝だから教えられないよ」と笑いながら、自身の持ち場へと戻っていった。

 子供のころに食べた味が大人になっても変わらずあり続けることで、親から子へと朝の定番飯として伝えられていく。インビ・マーケットは時代の流れと共に姿を変えつつあるが、いつまでも変わらない味がある限り人の列が途絶えることはないだろう。


お店インフォ
■営業時間:午前7時〜 麺が売り切れた時点で閉店!!
■場所:インビ・マーケット内
(ブキビンタン市内からタクシーで5分くらい。徒歩でも行けるが初めて行く場合は場所が少し分かりづらいため、タクシーに乗ることをお勧めする)
■定休日:毎週月曜日
■価格:具材の数によって決まる(一品RM1.20~)




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朝から店先には行列が!!

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一生懸命にお店のお手伝い

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う〜ん。見ているだけでもおいしそう♪

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麺さばきはおてのもの!

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みんな大好き 「Chee Cheong Fun(朱腸粉)」

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チュウさん
「熱いため持ち帰るのはお勧めしない。
出来たてをその場で食べるのが一番うまいよっ!!」

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「阿福朱腸粉(Ah Fook Chee Cheng Fun)」