多民族国家ならではの仏教の祭典、ベサック祭

ピックアップ  2017年5月10日、“ベサックデー”を祝う祭典がマレーシアを含む東南アジア各地の仏教寺院で盛大に繰り広げられました!釈迦の誕生、悟り、入滅を祝うとされるベサックデー。日本では“花祭り”、または甘茶が振る舞われることから“甘茶祭り”としても親しまれていますが、一部寺院を除いて異なる暦で実施されるとともに、(残念ながら)祝日ではありません。  さて、多民族国家であるマレーシアのベサック祭は、他国とは一味異なる顔を見せています。日没後に行われる山車が有名ですが、本日はマレーシアならではの魅力あふれる日中の様子をご紹介しましょう。

多種多様なスタイルでのお参り
 訪れたのはプタリンジャヤ市にあるWat Chetawanタイ寺院。タイ系、中華系、スリランカ系仏教徒のみなさんに加え、ヒンドゥ教徒のみなさんも訪れ、それぞれの伝統や慣習に従い、供物をささげ、お参りします。境内や本殿での振る舞いも多種多様。細長い線香を炊く、蓮の花をささげる、菊の花の首飾りを寄付する、オイルランプを捧げて健康祈願する、銀箔の短冊に祈りや願い事を飾るなど、それぞれのスタイルでお参りします。
 境内で出会ったヒンドゥ教徒の方に、こちらのタイ寺院のベサック祭に訪れた理由を尋ねたところ、「友人に連れられてイベントを冷やかしに来たのがきっかけです。ところが、お参りするうちに清々しい気持ちになり、以来、ベサックデーには必ず家族でお参りに来ることにしました」。
 訪れる人々を誰ひとり拒むことなく、お参りの仕方を強いることなく、とても自由。「タイ寺院なのに・・・」と了見の狭いことをつぶやく人は誰もいません。寺院内には、ここ数年で布袋さま、観音さまもお目見え。
 多民族国家としてのマレーシアらしい魅力が存分に溢れる境内でした。

タイ寺院としての光景
 本殿や別殿ではタイ式にのっとり参拝客のお祓いが行われます。僧の前に置かれた皿に財布、車の鍵、小さな仏像、仏像の描かれたペンダントなどが次々に載せられ、僧は参拝客には水を降り注ぎながら経を読みます。「この儀式はタイ式だよ。この1年が無事に、健康に、禍なく過ごせるようお祓いしてもらい、さらに私はいつも大切なお守りであるペンダントを浄めてもらいます」と、そばに座っていた男性が教えてくれます。「財布?ああ、あれは財が入って来るように、っていう願掛けだね。私は載せないけどね。人それぞれだね」と笑います。

才能をいかんなく発揮するボランティアの子どもたち
 本殿前のもっとも美しくも賑やかなスポット、オイルランプの捧げられるエリアを取り仕切っていたのは小学生の子どもたち。接客、会計、ランプの手渡し、名札ラベルとペンの手渡しなどの一連の作業を、文字通り「黒山の人だかり」の人々に対し、見事なフローでテキパキとさばきます。その上さらに、彼らの多言語応対能力、言葉遣い、応対姿勢&スマイルのいずれも最高。「お見事!」の一言に尽きました。ちなみに大人は後ろでせっせとランプ作り。彼らに店表を任せる英断は大成功。そしてそれを決定した大人も偉い!

境内の特設フードコートもインターナショナル
 早朝はまだ人影も少なかった寺院内ですが、午前11時を過ぎるころから人々が大挙して訪れます。正午前には特設フードコートも準備完了。タイ・スイーツの代表格のカボチャのプリン、黒米ともち米による“赤飯”、ベジタリアン・ナシレマ、ニョニャクエ、豆花(トウフア)、ベジタリアン・カレーなどがラインナップ。実にバラエティに富み、インターナショナルな参拝客の舌を満足させていました。

 ベサックデーを通して、マレーシアの門戸の広さ、懐の大きさを改めて実感する、良い一日となりました♪




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早朝の本殿

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布袋様の福にあやかる参拝者のみなさん

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別殿前の象

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新たにお目見えした観音像

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お供え用の菊の花輪や生花を買い求める人々

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お供え用の蓮の花が店頭に並びます

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11時を過ぎると、境内は人でいっぱいに

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お祓いを受ける参拝客

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「お金が貯まりますように」と財布を皿に載せて、祈祷してもらう参拝客も

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線香を炊く参拝者

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本殿を参拝する人々。多民族国家のマレーシアらしい光景です

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僧によるお祓い後、お守りの紐をいただき、御爺ちゃんに結んでもらう少年。とっても幸せそう♪

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「常日頃身に着けるお守りを浄化し、今年一年無事に過ごせるように力を吹き込んでいただきます」と、当寺院信者の男性

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正午前にはフードコートも満席!

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「家内安全、心願成就」。願いはみな同じです

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健康祈願のための、家族の名を記したオイルランプがずらりと並びます

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オイルランプエリアで、てきぱき働くボランティアの子どもたち

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テレビクルーによる中継も行われていました!

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厳かな山車が各地の夜の街を練り歩き、祭はフィナーレを迎えます