民間大使30名、マレーシアで活動開始! 〜第3期日本語パートナーズ、着任〜

ピックアップ  アセアン諸国の中学・高校において、「日本語で、日本を伝える」役目を担う日本語パートナーズ(国際交流基金アジアセンタープログラム)。2017年2月7日、第3期日本語パートナーズ30名がマレーシアに到着。2週間のKL講習を経て、それぞれの派遣先で活動を開始しました!現役学生、会社員(休職して参加)、パティシエ、退職後に心機一転参加した方々など、様々な背景を持つ21歳~58歳までのメンバーたち。「国際社会における日本」としての立場を確固とする民間大使としての使命を背負い、期待と不安を胸に臨んだ講習期間中の彼らの様子をお伝えしましょう。

到着翌日、セルフディフェンスを学ぶ
 到着翌朝、彼らが最初に受けた講習は“セルフディフェンス”。30名はマレー半島全土に単独で派遣され、滞在先もホームステイなどではなく一人住まい。身の安全は自ら確保しなければなりません。
 講師を務めたジャスティン・ホン氏は、まずは当地で頻繁に発生する犯罪について説明。「周囲に気を配り、安全な状況に身を置くこと」、「戦わない」ことの重要性を説きます。「もっとも大切なものは命。犯罪に遭遇した場合、争わない。財布は手渡すのではなく遠くへ放り投げ、退路を確保してください」。そして、やむを得ず身の危険に遭遇した場合の防衛策として、急所や体の弱点などを示しながら柔術をアレンジした防衛術を伝授します。メンバーは真剣そのもの。ホン氏が模範を示す際には、椅子から立ち上がってあらゆる角度から動きをチェック。また全員で、様々な状況を想定した防衛術を何度も練習します。防衛術の中には、昨年の大河ドラマ「真田丸」で、真田昌幸から信繁(幸村)、大助に伝授された“卑怯なゲンコツ技”も!「いざという時に活用できなければ意味がありません。同僚の先生らと練習するなど、トレーニングを続けてください」とホン氏。「セルフディフェンスを学ぶのは初めて。私の赴任先では昨今犯罪が増えているため、有意義な講習に大変感謝しています」との声がメンバーから聞かれました。

マレー社会、宗教、マレー語研修
 9日~12日、30名はインターナショナル・イスラミック大学に滞在し、マレー人学生らと生活をともにしながら、マレー社会や宗教を学び、マレー語習得に努めます。限られた時間で効率良くリードするのは久志本裕子氏(当大学准教授)。「“戒律が厳しく、禁止事項が多い宗教”というイメージが持たれるイスラム教ですが決してそうではなく、日本人の持つ感覚と似ています」と久志本先生。ただし、「自分の体は預かりもの。自殺は許されません。自殺が後を絶えない日本の状況や理由について、派遣先で質問を受けることもあるでしょう」。また、注意すべきこととして「約束の日時の確認」を挙げる久志本先生。「イスラム歴では、日没後に次の一日が始まります。例えば“金曜日”は“木曜夜”から始まるため、約束日時が西暦ではいつに該当するかを確認しましょう」。久志本先生から矢継ぎ早に伝えられる情報に、メンバーは時折質問を交えながら聞き入っていました。
 さて、マレー語研修では、メンバーはそれぞれ“バディ(マレー人学生)”とペアを組み、ロールプレーを中心に訓練を進めます。見る間にマレー語を会得していくパートナーズ。講習を終えた彼らのマレー語は、「われわれ現地滞在者をはるかに凌ぐ上手さです」と国際交流基金担当者は脱帽していました。

大使館表敬訪問および安全対策講習
 13日、パートナーズは在マレーシア日本国大使館を表敬訪問。出迎えた児玉良則公使は「私が最初に出会った外国人は、アメリカから私の中学校に赴任していた英語教師でした。彼との出会いが『将来は国際的な仕事につきたい』と思ったきっかけです」と語ります。「生徒の皆さんに『将来日本に留学したい、日本を訪れたい』と思ってもらえるよう、ご尽力ください」。児玉公使のエールに対し、パートナーズを代表し菊間由佳さんが、「日本とマレーシアの架け橋として、日本ファンを増やせるよう努力します」と応えました。
 大使館では、花岡伸明警備対策官による安全対策講習も行われました。「“知識”は役に立ちません。①自らに置き換え、注意すべきことを常に意識すること(スマホ歩きはもってのほか)、②ローカルの方々と親交を持ち、ローカル情報を仕入れること、③咄嗟のときに大声が出せること、④もっとも簡単かつ効果的な身を守る手段は“振り返る”こと。ガードの硬い人物を犯人は襲わないものです。⑤保険も大切」とのアドバイスに、一同は緊張した面持ち。「防犯対策は、十中八九は徒労に終わります。しかし、気を緩めたときに遭遇するものです。無事に帰国することが皆さんの仕事と心得てください」との言葉を真摯に受け止めるメンバーでした。

 2月21日、ランカウイからジョホールまで、半島全土に飛び立ったパートナーズ。在マレーシア邦人のみなさん、彼らの今後8カ月の活動をぜひ応援しましょう!




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セルフディフェンス講習の講師を担当されたホン先生

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ホン先生指導のもと、組み伏せられた際の防衛術を練習中のペア

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それぞれペアを組み、防衛術練習中のパートナーズ

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「セルフディフェンスを学ぶ機会に恵まれ、幸いです」と語る渡邊雅之さん(中央)

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宗教、社会、マレー語の講義を担当された久志本先生

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マレー社会に関して質問するパートナーズとそれに応える久志本先生

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楽しい昼食タイムも、マレー語を学習する大切な時間です

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バディとペアを組み、ともに食事をとりながらマレー語を学習中

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マレー語学習初日、果敢にマレー語で会話中!

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スライドを用いながら、犯罪とその対策方法について説明される花岡書記官

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花岡書記官の安全講習を真摯に伺うパートナーズの面々

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パートナーズにエールを贈る児玉良則公使

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パティシエの中川 沙織さん。
パートナーズとしての新たな人生への抱負を語ります