プロサッカー選手 岩崎陽平さん
日本人プロサッカー選手によるフットサルスクール、開催!
〜“ストーリーのある練習”マレーシアン・アスリートを魅了〜

ピックアップ  ブラジルでプロサッカー選手としての道を歩み始め、2016年の昨季はオーストラリアのプロリーグで活躍した岩崎陽平選手が、マレーシア在住の彼の長年の友人の依頼によりオフ期間を利用して来馬。同じく海外で活躍するプロサッカー選手の細江敏矢選手とともに、マレーシアのフットサルチームで練習をコーチし、選手らから拍手喝采の大好評を得た。さて、その練習方法とは?

指導者のいない各チームの現状
 今回、岩崎選手が指導したフットサルチームは、サッカーマレーシア代表チームにフィールドプレイヤー3名、ゴールキーパー1名を送り出すほど、確かな実力のあるPHOENIX RECREATION CLUB(フェニックスRC)。ところが、フェニックスRCには、練習を指導するコーチがいない。「監督」やスポンサーは存在するが、指導する技術はない。フェニックスRCに関わらず、マレーシアの各クラブチームは、ほぼ同様の問題を抱えているという。そのため普段は、チームのキャプテンが練習のカリキュラムを組み立て、チームを導く。また、代表選手らが代表合宿から戻ってくると、合宿での練習方法を採り入れるのだという。「練習カリキュラムを立てるのは大変なプレッシャーです。これで良いのか、これで強くなれるのかと不安が絶えません」と、キャプテンのシャザさんは本音を吐露する。

“ストーリーのある練習”に大興奮の選手たち
 「じゃあ、始めようか!」のかけ声により、チームは直ちに複数のグループに分けられ、パス&ランの練習が始まる。数分後、笛の合図で選手らは一斉にストレッチ。次の笛の合図で再びパス回し。岩崎選手が突然、「全員、練習やめ」と号令。「Look Up!」とジェスチャーを交えて声をかける。パスと受けに集中する選手らの顔は、つい下を向きがちだ。常に顔を上げてプレーするようにとの指示に、メンバーらは「はっ」とする。パス後にボールを蹴った方向とは異なる方角へ走る練習、ノールック・パスの練習へと続く間も、Look Upを心がける選手たち。これらの一連の練習の合間にも、ストレッチがはさまれた。さて、次の練習方法は、一見するとゲーム形式。しかし、ゴールキーパーの代わりに、岩崎選手、細江選手がゴール前に立つ。ゴール前には三角コーンが立てられ、岩崎、細江両選手は、そのコーンの前に立ったり、後ろに立ったりを繰り返す。例えば、岩崎選手がコーンの後ろに立つと、岩崎選手側に本来ゴールするはずのチームは攻撃を開始してもよい(ボールを岩崎選手側へ運んでも良い)、一方、コーンの前に立つと、そちらの方向へ攻撃を仕掛けてはいけないというものだ。チームのメンバーらは、ゲームさながらの練習の中、常に視界を広く持ち、遠方での小さな動き(合図)を見逃さず、一瞬の判断で防御から攻めへ、攻めから防御へと切り替える。あっという間にメンバーらは、見事なカウンター攻撃の基本技術を身に着けていく。
 この日のプログラムは、最初のパス回しから、コーンを利用した最後の練習に至るまで、「視野を広く持ち、周囲の状況を察知する能力を高める」というテーマに基づき組まれていた。現在、マレーシアの各チームの練習は、ストレッチ⇒ウォーミングアップ⇒パス練習⇒ゴール練習⇒ゲーム練習という流れが一般的で、そこには「ストーリー」がない。限られた時間内で効果的に上達するには、「ストーリーのある練習」を踏まえながら、メンバー全員がボール・タッチ時間を増やすことが重要だという。仕上げ練習であるミニゲームでは、誰もが見違えるほど攻守の切り替えが素早くなり、面白いゲーム展開が何度も繰り広げられた。「楽しかった!」、「こんな練習は初めて!大満足!」と、興奮の面持ちで感想を口にするメンバーたち。「今日の練習スタイルを必ず継続していきたい。しかし、どこかで必ずズレが生じる。最低でも1か月に一度、岩崎選手らからコーチを受けられたらいいのに・・・」と、責任を一人背負うシャザさんはつぶやいた。

社会人としてのサッカー選手育成~“コミュニケーション力”とは“語学力”ではない~
 現役にこだわる岩崎、細江両選手もまた、さらなるブラッシュアップに向けて邁進中である。すでに、オーストラリア、日本の2か国でサッカースクールを開設し、後進の指導にも余念がない岩崎選手は、「世界各国でプレーしている経験を活かし、海外展開を希望する若手選手らの支援も行っていきたい」と今後の抱負を語る。また、「海外で活躍するには、コミュニケーション力が是が非でも必要です。ところが、コミュニケーション力=語学力だと考える人々がいる。例えば、英語の得意なエージェントが、選手のために契約を獲得できるかというと決してそうではなく、英語をほとんど話せないエージェントが契約をとってくるという事象が起きるのがサッカーの世界。本当の意味での“コミュニケーション力”を強化するとともに、“社会人としてのサッカー選手”をキーワードに、“責任あるプレー”のできる選手を育成したい」と、岩崎選手のサッカーへの想いは熱い。

 サッカーをこよなく愛し、熱い想いを持つ彼らだからこそ、国を超え、言語を超え、2人の指導はマレーシアン・アスリートを魅了。フェニックスRCメンバーらの2人へ向けた言葉、「COME AGAIN!」が会場に大きくこだました。




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キャプテンのシャザさんに、
この日の練習プログラムを説明する岩崎選手

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練習方法を簡潔・手身近にメンバーに伝える岩崎選手

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チームをスペシャルコーチする岩崎選手(右)と細江選手

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フェニックスRC監督。
「ブラジルでのプロ経験のある現役選手のレッスンを受けられて、本日は大変うれしい!」

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ゲーム練習のためのチーム分けを相談中のフェニックスRC

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練習のスタートはパス&ランから

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Look up!周囲を見ながらパスを受けてラン!

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コーンの前に立って、反応を見守る岩崎選手

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「オーイ!コーンの後ろに立ってるぞー!」

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一連の練習の間、笛の合図で、
”パッ”とストレッチに切り替え

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岩崎選手の説明を、
マレー語を交えながら明るく楽しく解説する細江選手(右)

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最後の仕上げのミニゲーム

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常に笑顔でアドバイス!

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充実の表情で給水タイムを迎えるメンバーたち

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練習を終えて、記念撮影。
喜びいっぱい、充実の表情の全メンバー

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本日のMVPにはviverTシャツをプレゼント。
こちらの選手、実はハードルのマレーシア代表選手でもあります

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viver特別賞を受賞した選手。
はにかみながらニッコリ♪

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「しっかり練習を続けて、ますます活躍してください!」と
エールを送る2人

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練習終了後、メンバー1人ずつとの記念撮影に望む両選手。
こちらの女子選手は、テコンドーのマレーシア代表選手も務めています

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岩崎陽平選手。
ブラジルでプロとしてのサッカー選手人生をスタート。
日本、インド、モルディブなどを経て、昨季はオーストラリアで活躍

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岩崎選手の長年の友人である杉山亜美選手(右)。
杉山選手のアレンジで、今回の指導が実現した

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viver。
ポルトガル語で「生きる!」を意味する

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岩崎陽平選手(一般社団法人V.M.E.C代表)
ブラジルでプロとしてのサッカー選手人生をスタート。
日本、インド、モルディブなどを経て、昨季はオーストラリアで活躍。
(今回のイベントの主催者は、岩崎選手と、その長年の友人である杉山亜美さん(日系企業 マレーシア現地法人代表 ※当時))