Isshin(一心)-日本料理

 

旬の一瞬を切り取る技とおもてなし
〜日本食の神髄「一心」にあり

写真  四季の食材、慈しみ育てる生産者、腕利きの料理人、おもてなしの心…最高の日本食はどれが欠けても完成しない。スバンジャヤの「一心」には、旬の魅力を引き出す料理人、一川さんという存在がいる。そして、阿吽の呼吸で店内に目配りと心配りをする奥さんの志保さん。さらに、ワインについては日本人ソムリエの苗緒さんがいる。ここに来れば、最高の味に出会える。

この季節、この日の味〜「おまかせコース」の醍醐味
 「一心」を訪れたのは8月上旬。一川さんの元には、盛夏の食材が日本各地から届いていた。食材の個性を見極めて「ひと品」を仕上げ、且つコース全体の調和を生む「おまかせ」。料理人の技が堪能できるコースだ。

前菜
 実に食を誘う5品が登場した。通常、酢でいただくもずくは、出汁と合わせることで、まろやかながら、もずくの潮の香りがより伝わる。揚げた丸なすは、これでもかというくらい出汁を吸ってふっくら。甘み広がるトウモロコシと塩でいただくアラ皮のバランス…。「いろいろなものを少しずつ」と一川さんの思いが込められている。

造り
 一心の魚は、全て日本の福岡市場からのものだ。生まぐろは、赤身とトロ。一匹から繰り出される旨味の深さと滑らかさは上質のまぐろの証だ。鯖と鯵は脂肪分がとろけて芳香が口中に広がり、アラは表面を焼くことで一層香りが増す。イカとタコは生姜味噌でいただけば、より生の香りが引き立つ。カウンター席では、一川さんにより造りの包丁さばきも見所。より美しく、より美味しくという日本食への思いが伝わってくる。

蒸し物
 「生湯葉と蓮芋の海老あんかけ」生湯葉(福岡)、蓮芋(高知)、海老・鯛・長茄子(熊本)と多数の食材が詰まっているが、とろとろの生湯葉、サクサクの蓮芋、ふんわりとした鯛など、各々が見事に食感の個性を残しつつ、昆布と鰹の出汁とあんが絶妙なまとまりを魅せる。

焼き物
 ふんわりとした太刀魚は骨をしっかり取り除き、カレイは一川さん自身が一夜干しに。下処理を丁寧にし、一手間かけることがより良い一皿につながっていることを実感。スダチをキュッと絞れば爽やかさが広がる。

煮付け
 一心の煮付けにはファンが多いというのが、一口で納得できる味。アラ(長崎)に、一川さんの出身地でもある熊本の甘めの醤油を合わせて、ふんわり、そしてふくよかな優しい味わいだ。魚と調味料と料理法の妙味に酔いしれること間違いない。

食事
鮪中落ち丼(長崎)/和牛と高菜の焼き飯(宮崎、福岡)、浅利味噌汁(長崎)、べったら漬け

甘味
メロン(熊本)

 四季に明確な仕切り線がないように、収穫される食材も刻々と変化していく。「一心のひと品」は、食材を見極め、丁寧に扱い、ひと手間を惜しまないこだわりの日々からのみ生まれる。だからこそ、毎日メニューが変わる。日本にいるより、より日本を感じる「一心」、深まる日本の秋はどんな料理に出会えるのだろうか。ぜひお楽しみいただきたい。

※「おまかせコース」はRM250〜。ご予算に応じます。

 


住所
CT-01-17 1st Floor, Corporate Tower, Subang Square, Jalan SS15/4G, 47500 Subang Jaya, Selangor

電話
03-5631 0754(日本語)

営業時間
12:00〜13:45、18:00〜22:00

 




写真
前菜
(写真左上から時計回りに)「だだ茶豆」(山形)、「丸なす揚げ煮」(熊本)、「生わかめと青菜の柚子浸し」(高知)、「トウモロコシかき揚げ アラ皮唐揚げ」(長崎)、「もずくお浸し」(沖縄)

写真
造り
「生鮪」「真蛸」「〆鯖」「アラ焼霜造り」(長崎)、「シマアジ」(熊本)、「ヤリ烏賊」(福岡)

写真
焼き物
「太刀魚」「鰈一夜干し」「ミニオクラ」(福岡)、「グリーンアスパラ」(長崎)

写真
煮付け
「アラの煮付け」

 




記事

2014年5月8日号掲載 Mika Yatsuchi

 

四季折々の食材と料理人のこだわりが随所に。
一心『おまかせコース』

写真  スバン・ジャヤにある「一心」は、一川料理長と奥さんの志保さんが切り盛りする小料理屋。長きにわたり、懐石料理の世界で修行を積んできた一川料理長。この地に店を構えて以来、作る料理に一切妥協を許さず、真摯に日本料理の美味しさを追求してきた。今では、「ここに来れば、本物の日本料理が食せる」と、在留邦人をはじめ食通の地元民の間で重宝されている。

 南国に暮らしているとつい遠のいてしまう日本の四季。それを懐かしく思い出させてくれるのが、料理長が作る料理だ。時期に応じた野菜や魚、果物など、旬の食材を厳選し日本(福岡)から直送している。そして、それらの食材は、料理長の手によって最も美味しくいただける方法で調理される。完成された料理は、見た目の美しさ、またその味わいを通して季節感を与えてくれる。

 四季折々の食材と、料理長の豊富な経験を組して考案されたのが『おまかせコース』だ。このコースはメニューが固定されておらず、女将の志保さんが、丁寧に食事客の好みや意向を聞いたうえで、料理が出される。ただ一方的に料理を出すだけではなく、会話を交わしながら食する人に応じた料理を出したいという思いがある。そのため店内は、店主と女将の細やかな心配りが十分に行き届く店構えとなっている。

 コースは基本的に懐石となり、季節や時期、日によってその都度異 なった料理が登場する。季節を先取りした食材からまさに旬の時期の食材まで、「日本にいる以上に、日本らしさを感じる」と言われるほど、豊富な食材が揃う。その素材がもつ本来の美味しさを十分に生かすため、下処理には一手間を惜しまない。また、日本料理に欠くことのできない「出汁」は、食材に応じて魚出汁、昆布出汁、鰹出汁、鶏出汁と使い分けている。これらの料理長ならではのこだわりは、食する人に一番美味しい状態で食べてほしいという思いが込められている。その料理に込められた細やかな心遣いがまた、訪れた客の心を掴む。

 「おまかせコース」は、次にどのような料理が出てくるかも、食べる楽しみの一つとなっている。また、通常のメニューにはない特別料理が出てきたり、食材を指定し料理を注文したりすることができるのも「おまかせ」ならではだ。大切な接待や特別な記念日など個々の要望にも対応してくれため、気兼ねなく夫妻に食の好みや予算などを、伝えてみることをおすすめする。

 店の構えは、カウンター席、テーブル席、個室(3部屋、4名様から20名様前後まで対応可能)となっている。店を始めるにあたって、店主と女将の目配り、気配りがゆき届く構えとの配慮で、やや小ぶりの店作りだ。ゆえに、来店前に一度連絡を入れることをおすすめする。また、接待や特別なパーティーなど、人数に応じた対応してくれるので、日本語で気楽に相談してみよう。

 車で来店の方も、同店が入居するビルの地下に駐車場があり、加えて夜間はビルを取り囲む地上駐車場も利用できるのが便利。

 




写真
酒の肴、珍味盛り合わせ
日本酒や焼酎によく合う酒の肴は、どれも旬の食材を用いた逸品揃い
水茄子茗荷和え(大阪)、茶ぶり海鼠(長崎)、春ごぼう唐揚げ(鹿児島)、はす芋梅肉和え(高知)、うるい根三つ葉赤貝酢味噌和え(新潟)、とうもろこし掻揚げ(宮崎)、フルーツトマト(高知)、牡蠣(福岡)、順菜ゼリー(秋田)、空豆(鹿児島)、筍土佐和え(熊本)、ふきとわらびのお浸し(福岡)、鯛白子柚子胡椒焼(熊本)、ツワブキきんぴら(宮崎)、ほたるいか沖漬け(富山)

写真
刺身盛り合わせ
料理長が独自のルートで週に2回仕入れる海産物は、大変珍しい魚や天然もの、一本釣りのものと他ではなかなか味わえない新鮮かつ美味な旬の魚が揃う
本鮪(長崎)、太刀魚(大分)、しめ鯖(長崎)、真蛸(長崎)、やり烏賊(福岡)

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あらの煮付け(長崎)

写真
店内

 




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